【当日編】

朝起きると、天気は雨〜〜〜。
既にテンション下がり気味。。。

とりあえず、雨具を着て荷物(テント一式)を背負って最寄駅へ自走。
フライシートを使った独自輪行シートをかぶせて、ガムテパッキング^^;

そして、電車に揺られること50分。
新横浜駅到着〜。

そして、外に出ると・・・。

雨さらに強くなってますよ〜〜〜(>_<)

しかし、ここまできて引き返すわけにも行かない。
そそくさと自走準備をし、スタジアムへ向かう。

途中、サイクリングコースがあり、破れかぶれで走っていると似たような方々が続々と。。。
みんな一緒なんだね。熱い魂にようやく火がついた。

おっし!やったろうじゃないか!
ここまできたんだ!明日風邪引こうが、寝込んじまおうが関係ない!

今が全てさ〜〜〜。
ということで会場到着。

思った以上に人がいて合流に手間取りましたが、なんとかチームメンバーも全員集合。

テントを張って荷物を入れたら、早速皆さん自転車セッティングタイム&試走

思った以上に雨がコース上に溜まっていて、タイヤが水を跳ね上げる。
ということで、サングラスがびしょびしょに。
(クリアグラスがあってよかった〜っと心より思った瞬間)

そして、それだけ雨がはねるということは路面も滑りやすく、MTBの1.5"のタイヤがすべるすべる。
ロードの人はたまらない状態ッスね。

と、そんなことを話しながら試走は終了。
思った以上に時間が押してしまっており、そのままレーススタートへ。

スターティングメンバーのshikeさん、中野さんはスターティンググリッドに集合。
そのほかメンバーは客席から観戦となるため、一度ピットに自転車を置きに。

異常に空いている客席からピッチを見ると、ものすごく異様な集団が!
今回の2,3,5時間のレース参加者のスターティングメンバー集団である^^;


shikeさんや、中野さんをスタート地点の集団の中に発見する。
手を振ってみるとこちらに気づいたようで、振り返してくれる。


それにしても、たくさんの人と自転車だ。
競技場のトラック上に5時間、3時間、2時間とエントリー時間ごとに集団ができているが、それぞれ100人以上のグループにはなっている。

主催者の挨拶も終わり、雨がやんできたところで、スタート!

全員落車と接触に気をつけながら、ゆっくりとしたスタート。
shikeさんも中野さんもコース上に消えていく。

さて、スタートを見送ったところで、今度は自分たちの準備である。
今回のコースは1周約4km弱。試走で走った感じでは、ゆっくり走って1周10分くらい。

中野さんのスピードを考慮すると、早ければ15分くらいで最初のライダーチェンジになる。

急いでピットに戻ると、ピット上の他チームスタッフもにわかに活気付いている。
レースというお祭りが始まって、わくわく感が抑えられない感じだ。


自転車のブレーキ周りの最終調整を行っていると、中野さんがきた。
さすがに速い!少し慌てつつ、計測器を受け取り、ピットアウト!

計測器を受け取るとき、今回のチームメイトの佐々木さんが自転車を押さえていてくれた。
前回、ストイックに坂を登りつづけたヒルクライムレースと比べ、チームでの参加もいいもんだなぁ。

と、後ろから走ってきた自転車が脇をかすめていく。
路面もぬれて、グリップがないコースだけにひやりとする。

今回は、ママチャリから、本格的なロードの方まで同一コースを分けることなく走る。
当然、こんなすれ違いも出てくるので、常に気を張っていないといけない。

ぬれた路面を走りながら、数年前の北海道旅行のことを思い出していた。
朝一で自宅を出発し、輪行&乗り継ぎのフルコースで仙台港まで行き、そこでようやく自転車乗り開始。
20分ほどで港に着いて、フェリーの乗船手続きをした。

あの時、駅で自転車を組み立てていると、急に雨が降り出し、慌ててレインコートと、雨用装備を荷物に掛けた。
そんな準備をしていると、駅前のロータリーに着いたバスから高校生が大量に降りてきて、興味深げな視線を向けてきた。

引率らしき先生が話し掛けてきて、これから北海道旅行でと告げると場が沸きあがった。
湧き上がったのはいいのだが、今度はこちらが落ち着かない。

フル装備の自転車はかるく30kg以上ある。
漕ぎ出しが肝心で、ちょっとしたバランスでこけてしまう。

こんなにギャラリーが増えてしまうと、そんなことになったら格好がつかない、とあせってしまったのだ。

一通り荷物をくくりつけると、一呼吸してから乗車。
ちょっとふらつきながらもなんとかこけずにロータリーを出た。

走り始めて数分。雨がやんだ。
いまさら装備を変えるのも面倒なので、そのまま港まで行くことにした。

少し走ると空の彼方に虹が見えた。
光の加減か、すぐに消えてしまったが、そう、あのときの旅は虹から始まったのだ。

コースはスタジアムの観客通路や、スロープ、競技場内のトラック、地下駐車場を抜けて隣接するサイクリングロードへ抜けていく。
普段走っている街中の感覚に近く、しかも信号がないので、否応なくスピードも上がる。

コーナーでブレーキをぎりぎりまで遅らせてみたり、体をめいいっぱい倒して突っ込んでみたりと普段では試せない走りを堪能する。

レース直前まで降っていた雨も上がり、コースもところどころ乾き始めている。

走りはじめで、体が硬いが、ピットに続く坂道をガシガシ踏み込んでピットイン。
中野さんと交代する。

時間を見てみると、だいたい20分。
飛ばしたように思えるが、意外とスピードは出ていなかったようだ。

大分雨も上がってきたので、上着を脱いで、体温上昇に備えつつ、チェーンを拭いて注油する。
どうも、チェーンが泥で汚れたようで、シフトがうまくいかないギアがあったのだ。

乗り心地を確かめて、OK!

そんなことをしている間に佐々木さんも到着。
田沢さんに交代し、ピットテント前で休憩。


今回のチームは2人チームと3人チームの編成で、合計5人。
中野さんと自分が2人チームで、shikeさん、佐々木さん、田沢さんが3人チームだ。

休んでいる間に一度走ってきているshikeさん、佐々木さんとコースについての情報交換を行う。

ロードの人を中心に、スリップによる転倒、接触事故がおきているようだ。
また、サイクリングロード上の路上にある機材用の保護カバーで、リム打ちパンクが発生しているらしい。

今回自分はMTBなので、タイヤ自体のグリップ&耐パンク性はロードの人たちよりはあるものの油断はできない。

しばらくそうしていると、中野さんが帰ってきた。

交代して出発。

路面が時間とともにどんどん乾いていくのがわかる。
乾くと同時にスピードも出せる。

前にいるロードの集団につけて、めいいっぱい飛ばす。
タイヤの路面接地音が心地よい。このままずっと走っていたいと思う。

トラック上ではスタジアムのモニターにどこかの自転車レースの映像を流している。
あおるように大音量で掛けられている音楽も今は心がわくわくする。

と、地下駐車場の入り口で目の前の自転車がスリップして落車。
落車地点と反対方向にハンドルを切り、ペダルを踏み込む。

なんとか、接触せずに切り抜けられた。
落車地点は屋根のない屋外のスロープから、暗い地下駐車場に入り込む入り口。

視界が一気に暗くなり、その10メートル程先には右へ曲がる直角コーナーがある。
しかも、場所によってはマンホールのおまけ付きだ。

なかなかにデンジャラスポイントではあるが、みなさん結構なスピードで突っ込んでいく。
ペースを守って走っているつもりだが、そんな中にいるとついついスピードが出てしまう。

地下駐車場のコースは横風が入ってこない遮断空間で、路面はコンクリートで固められている為、かなりの高速コースになっている。
たまに、ロードの集団がチーム走行をしたりしているのも見かける。

ちょっと興味を持って、後ろにつかせてもらった。
直後に感じたのは速い。ということ。

常に45km/h程度で飛ばしている。
後ろについたのもつかの間、さらに集団が加速する。

ギア比を最大にあげて、ペダルを踏み込みまくる。

だめだった。
50km/h程度までは加速するものの、その先の伸びでついていけなくなっている。

足に力が入らない。
ペダリングにパワーを使いすぎたようだ。

ピットに戻り、休憩。
レースが始まって初めて補給食を食べる。

今回初めてPowerBarを食べてみた。
味は、、、まずくはないけど好んで食べたいというものではないかな。

あと、若干硬いので、いつも食べているカロリーメイト等に比べるとあごを使う感じがした。
#唾液分泌が活発になって、エネルギー吸収(消化)にいいのかな???

何度か交代して走っているうちにコースに対する走り方のポイントがわかってきた。
体力や、自転車の特長によるのだろうが、自分は思いっきり飛ばす区間を作るのではなく、コーナー等の減速によるスピードロスを減らし、ケイデンスを一定化することで最低速度の底上げを図った走りの方が速く走れるようだ。
#そんなもの、自転車の基本だ!ということをすっかり忘れておりました。^^;

再び交代。
走りながら、他の選手を抜く。そして他の選手に抜かれる。

不思議に抜く、抜かれるということはあまり気にならない。
今回はチームで参加しており、5時間内の周回数を競っている。

つまり、純粋に自分自身との勝負だ。
トップが6分台のラップを刻み始めたと放送が流れる。

少し前の自分のベストタイムは7分10秒。
なんとか、7分の壁を超えたい。

しばらく無心でペダルをこぐ。
こんなにこぐことだけに集中したのは久しぶりだ。

前回のヒルクライムを旅にたとえるなら、今回のペダリングは音楽のライブのように思える。

ただこいでいるだけだが、そこには波があり、気持ちと自転車の流れるスピードに身を任せている。
そして、目的地ではなく、時間を泳ぐような感覚が、音楽を奏でている感覚に近く思える。

学生時代、一度だけライブをやった。
といっても、自分は楽器でなく、コンピュータで打ち込みの曲と効果音をその場でDJのように組み合わせて鳴らしただけであるが。

いっしょにやったメンバーはそのときだけのユニットとして組まれた。
もともとは学園祭で演奏するユニットだったが、いろいろあって学園祭には出なかった。

その代わりにと用意したのが、文化ホールでのライブだった。
土曜日の夜、文化ホールを貸しきって、ユニットとしての初めてで最後の舞台を楽しんだ。

キーボードで乗りまくる男性、ヴォーカルとして舞台に立つ女性、そして、ミキサー卓とコンピュータをいたずらする自分。

始まってしまえば、お客さんの入りなんて関係なかった。
音を変化させながら、会場全体に響き渡る耳で聞くのとは違う音の波に魅了された。

幕が上がっている間中、あの瞬間がずっと続けばいいと思った。

時間は刻々と過ぎている。
2時間組に続いて、3時間組もゴールしたようだ。

最後まで全力を搾り出すように走る。

もう何度交代しただろう。
2周ごとに交代という取り決めだったが、すでに何周走ったかはわからなくなっている。

中野さんがきた。さぁ、走ろう!

ふと時計を見てみると、ゴールタイムまで、あと40分くらい。
うまく走れば、中野さんの後に2周いけるかもしれない。

残り時間を意識したとたん、疲れが出てきた。
ひさびさの長時間で腰に痛みがきている。

腰を浮かせてサドル上のポジションを変える。
しかし、しばらくするとまた痛みが襲ってくる。

前傾姿勢の傾斜を緩める。
なんとかなりそうだ。

タイムを稼ぐ為にありったけの力で走る。
コーナーでは後輪がはねまくる。

なんとか少しでも早く中野さんにこのバトンを渡したい。
その一心でピットに向かう。

が、ピットに中野さんはいなかった。
たまたまトイレに行ってしまったらしい。

待っているのももったいないので、もう1周走ってくるとshikeさんに告げて再度スタート。

最後のライダーチェンジはないかもしれないと考えつつ、競技場を疾走する。
いつのまにか太陽が出ている。

じりじりと汗が肌の上をすべる。
暑い。たまらずシャツの前を開けた。

今度こそは、と思ってピットに行ったところ、中野さんは自分を追いかけてコースに出てしまったらしい。
最後まで走る覚悟を決めて、ピットを後にする。

頭の中では福山雅治の「虹」が流れていた。

空を雲が流れていく。

気持ちいい。

夏のような日差しに暑くなった体が真夏の海岸線を思い出させる。

タイムアップのカウントダウンが始まった。
3分前のアナウンスを聞きながら、カウントラインを通過。

終わった。

レースは終わったが、ピットまではまだ距離がある。
ゆっくりとコースの感触を楽しみながら走る。

サイクリングコースの沿道には2,3時間でゴールした人たちや、スタッフがたくさん立って応援してくれている。気恥ずかしくもあり、うれしくもある。

今日参加しなかったら、きっと一生会うこともなかったような人々が1000人近く集まって、おんなじコースを見つめている。

そう考えると、とても不思議な感じがした。

レースが終わり、ピットに戻ってみんなでお疲れ会。
抽選会は特に何も当たらず、お腹がすいたメンバーは新横浜の「すきや」で食事&打ち上げ^^;

新横浜の駅でそれぞれの道へ向かって別れました。
また次のレースでの再開を約束して。

その約束を見つめる空は雲ひとつなく晴れ渡った青空でした。
「みんなぁ!またやろう!」

と、心の中で叫びつつ、環状2号線を走りつつ、自宅への道を歩み始めるだるまであった。

=完=

追記
大会で予想以上に消耗した体に環状2号線のアップダウンと、テントの重さが徐々にボディーブローのように効き始め、家に着いたのは2時間後。
実に通常ペースの倍以上にかかってしまいました。
しかし、ついたらついたでハイテンションな人間のやることといったら・・・。


馬鹿ですね〜〜〜^^;

雑文をここまでお読みいただきありがとうございました。_(._.)_